若年層に多発!?気胸の概要と治療法について
突然の胸の痛み!!・・・あなたは何を想像しますか?狭心症?心筋梗塞?その方がご年配であれば、それらの疾患が想像出来るでしょう。
ですが、その胸の痛みを訴えている方が10代20代であれば・・・普通、その年代では心疾患は考えにくいと思います。
このケース、もしかすると気胸の可能性があります。今回は気胸の概要をお伝えしますので、若いあなたの救いとなるよう参考として下さい。
気胸の概要
肺の中には、たくさんの肺胞という小さな空気袋があるのをご存じですか?
気胸とは、その肺胞が破れ呼気が漏れだし、逃げ場の無い呼気が肺の外で圧力となり、肺を圧迫してしまう疾患です。
普通、空気が漏れれば外に出ていくのでは?と思われるでしょうが、肺を守るあばら骨(肋骨)の内部は真空で密閉されており、空気が体外に抜ける事はありません。
よって空気が抜けない、でも呼気は漏れ続ける・・・それにより、あばら骨の内側で抜ける事のない呼気が肺を少しずつ押し、それに伴う症状を表してしまうのです。
発症年齢は10〜20歳代と若く、痩せ型の喫煙者に多く患者が見られます。
そして、その患者の7割が喫煙者であるという統計があり、如何に10〜20歳代の喫煙が悪影響であるかを物語っていると言えるでしょう。
原因と症状
原因は様々です。深刻な咳や、運動で肺胞が破裂する事もあれば(自然気胸)、交通事故等の外傷や喫煙により肺胞が弱り結果的に破れるという原因もあります。
症状で最も多いのは「胸の痛み」です。その他、呼吸困難や咳も呈します。
重症化するとチアノーゼを起こしたり、血圧低下を現す事もあり非常に危険です。
さらに気胸は「肺を圧迫するだけ」に非ず、それに伴い心臓も巻き込んで圧迫する事もあり、その場合は不整脈等の緊急性の高い症状を現す事もあり、命に関わる事もあるので早急に医療機関に向かう事が重要です。
前項で10〜20歳代が発症年齢と記述しましたが、年齢的に病気に対し楽観視するケースがどうしても多く、かなり重症化してから初めて病院に行くという状況がかなり多いので、年齢が該当する方は十分に気を付けましょう。
治療法について
気胸の治療方針は、経過観察で様子を見た後に治療が必要か否かを判断します。
多くの場合は治療を必要とせず、自然に肺胞が修復され気胸の症状そのものが消失します。
ですが重症度が高い場合は治療の対象となり、その場合は圧迫の原因となっている呼気を外部からのカテーテル等で抜き、それでも漏れがある場合は外科的処置が行われるでしょう。
出来れば自然治癒を目指したいところですが、自然治癒の場合は治療を終えたとしても再発率が30%程度と高めです。
一方、外科的処置については再発率が1〜2%と低く、どちらを選択するか悩むところだと言えます。
まとめ
「若いから」はこの疾患には通用しません。若いからこそ、背伸びをするからこそ、気胸はあなたへの「警告」となって襲いかかるのです。
ありのままで、年相応に生きるようにしましょう。
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